妖刀奇譚






しかし、サイトではなく『このページは表示できません』という字が出る。



「あれ?」



もう一度押したが変わらない。


よく見ると、アンテナが一本も立っておらず圏外になっていた。



「ええー、このタイミングで?」


「どうした?」


「今、杉の葉の花言葉があるページを開こうと思ったんだけど、急に圏外になっちゃって」


「は?葉だったらそれは花言葉ではないだろう」


「いいのよ、細かいことは」



思葉は立ち上がり、頭上でスマートフォンを振りながらうろうろする。


しかし、どれだけやっても圏外のままだった。


膨れる思葉に玖皎がやれやれという調子で声をかける。



「別にそこまでして見ようとしなくてもいいだろ?


山を下りればすぐに調べられるんだから」


「そうだけど……なんか悔しい、何が何でも開いてやるって気分になる」


「おれは知らなくても構わないぞ」


「あんたはよくても、あたしが知りたいのよ」



動き回る途中で、思葉はすぐ脇に立つ桜の木を見つけた。


太い枝が高いところまで生えていて、白い花がいくつかついている。


思葉は鞄を根元に置くと、パーカーのポケットにスマートフォンをしまって木を登り始めた。



「おいおい、大丈夫か?」


「平気、木登りは小さいころからよくやってたから慣れてるよー」