妖刀奇譚






思葉はスマートフォンを取り出してインターネットを開いた。


検索スペースに思いついた言葉を打ち込む。



「……あ、あった。杉の花言葉は『雄大』『堅固』『堅実』だって」


「なんで杉なんだ」


「あんたの本当の名前に入ってるでしょ、杉の本字が。


良かったね、悪い意味のものや物騒な意味のものじゃなくて」


「花言葉に物騒なものがあるのか?」


「あるよーいっぱい。


薊の花言葉は『復讐』とか『触れないで』だし、酸漿は『欺き』、竜胆は『悲しんでいるときのあなたが好き』で、蕗の薹は『処罰は行わねばならない』。


スノードロップなんてすごいわよ、贈り物にしたら『あなたの死を望みます』になっちゃうんだから」


「ああ、分かったから、そんなに楽しそうに言わなくていい」



玖皎がやや渋い顔をして首を振った。


別に楽しそうに言ったつもりはないが、彼の目にはそう見えたのだろうか。


思葉はスマートフォンの液晶に視線を戻したとき、表示しているページに『杉の葉の花言葉』という検索結果があるのに気付いた。


玖皎の本名は『檆葉丸』だ。


どんな言葉なのだろうと、思葉はリンクをタップした。