妖刀奇譚






玖皎はここにいない新たな主人を思った。


怖がりなくせに変なところで物怖じしないで、こちらの肝を冷やすような行動に出る。


それはともに過ごしていくなかで十分に感じていた。



「だからな、玖皎」



永近は手を伸ばすと、玖皎の腕のあたりをそっと叩いた。



「あの子を護ってやってはくれんか。


荒ぶる付喪神と争っても無傷で帰ってこれたのは、おまえさんが居てくれたこそだと思っておる。


しがない老いぼれの代わりに、あの子の力になってやってくれ、この通りだ」



再び、永近が低頭する。


今度は先ほどよりも深々とだった。



「ま、待て、そう頭を下げるな、止めてくれ」



玖皎はあわてて手を振った。


永近が身体を起こしたのを見てため息をつく。



「……頼まれるまでもない。


思葉はおれが絶対に護る、あいつの力になることだって、厭わないつもりでいるよ」


「おお、そうか、やってくれるのか」