妖刀奇譚






今の本人からの発言で、思葉が永近に対して勘違いをしていたということが判明した。


そして玖皎は、その勘違いを教えられずっと信じていたのである。


去り際に悍染が言ったのはこのことであったのだ。


永近が笑声をたてる。


企てが成功した童のように、瞳にいたずらっぽい光が走る。



「あはははは、そうかそうか、思葉はしっかり騙されてくれていたか。


すまんな、わしは大抵のものなら観聴きもできるし感じもする。


おまえさんの傍らにずっと居た、弱い霊魂の波動にも気づいておったぞ、成仏できたようじゃな」


「なっ……」


「ただ、わしが観聴きできると知ったら、思葉が自由に力を発揮できんと思ってな、あの子には黙っておったのだ。


力がないと思わせておけば、わしの方にもある程度の自由がきくからのう。


しかし、そのせいでおまえさんまで騙していたか、それはすまない」



永近がひょいと頭を下げる。


どう返せばいいか分からず、玖皎は口ごもって横を向いた。


そして今後は、永近に関しては思葉に頼らず自分で確かめるようにしようと誓った。



「……今回のこと、大まかにだが阿毘から聴いたぞ」


「阿毘に?」