妖刀奇譚






すると、それまで静かに聞いていた來世が話に加わってきた。



「へえ、霧崎にも妙なことあったんだな」


「もって、辻森くんも何かあったの?」


「ちょっとな。やっぱり13日の金曜日って、なんかおかしなことが起こるもんなのか?」


「それは関係ないでしょ、切り裂きジャックじゃないんだから」


「綾乃ちゃん、それ殺人鬼違い。13日の金曜日はジェイソンだよ」


「あ、そっか」


「……切り裂きといえば」



ふいに実央が真面目な顔になって声を落とした。


おのずと思葉たちも前傾姿勢になる。



「あの変態通り魔、捕まったらしいね」



(えっ……)



思わず声が漏れそうになって、思葉は頬の内側を噛んだ。


來世と綾乃だけが声を出して反応する。



「おっ、マジか?」


「マジマジ、近所のおばさんが言ってた。


その人、旦那さんが警察官でこの地区の交番勤務だから間違いない情報だよ」


「よかったー、これで安心してお休みの日もスカートが履けるよ」


「ねー、女の子の敵だったもんね、あの変態」



綾乃が胸に両手をあてて喜ぶ。


深くうなずいてそれに同調する実央を見て、思葉はつい尋ねていた。