妖刀奇譚






またあの夜の話だ、なぜこうも立て続けに聞かされるのだろう……しかも心配していた2人から。


何かに謀られているような気分になる。


顔が強張っていたのだろう、きゃははと笑って実央が手を叩いた。



「思葉ちゃん、びっくりしすぎだよー。


でも気持ちはわかるよ、綾乃ちゃんが玄関で寝てたなんて言ったらびっくりするよね、しかも外」


「わ、わたしだって、外で寝たくて寝てたわけじゃないんだよ。


部屋で勉強していたら、窓から参考書とかペンとか落としちゃって……」


「なんで窓から落としたの?」


「わたしの部屋、勉強机のすぐ裏側に窓があるでしょ。


あの日、ちょっとストーブ焚きすぎちゃって部屋が暑くなったから窓を開けて、そのときペン立てを倒しちゃってね。


それを拾いに外へ出たところまでは覚えてるんだけど……気が付いたら、玄関のドアに寄りかかって寝てたんだ。


傍に参考書とペンがあったから、多分拾い集めたはずなんだけど、そこのところが思い出せなくて……」



不思議でしょ?と綾乃が眉根を下げて苦笑する。


思葉はどうにか頷いた。