「連中?そういえば、綾乃さんと來世を道に置いていくときもそんなこと言ってたわね。
誰なのよ、連中って」
「思葉ー、もう8時過ぎとるぞ、遅刻せんのかー」
すると、下から永近の声が響いてきた。
今行くとだけ返事をして、思葉は腹をくくってコートに袖を通した。
「休むわけにはいかないし、行ってくるね」
「ああ、そうしろ」
「玖皎、本とかパソコンとか使ってもいいけど、今日からはおじいちゃんがいるってことを忘れないでよ?
昨日は一日中人の姿を保っていられたけど、部屋を散らかした状態で限界が来たりしたら」
「分かっている、ほら早く行け、遅刻するぞ」
玖皎がうっとうしそうに手を振る。
遮られたことに唇を尖らせ、思葉は鞄を背負って部屋を出た。
階段を駆け降り、急いでローファーを履いて外へ飛び出す。
商店街を抜けるまで早歩きをしたが、時計を確認してもう遅刻の心配はないと分かると速度を落とした。



