妖刀奇譚






ミイラ取りがミイラになる。


來世が自分で言っていたことわざの図はまさしくこれだなと思葉は呆れた。


確かに、これでは断るどころかますます買わされる。


思葉は咳払いをして來世の頭を叩いた。


あまりにもいい音が鳴り、叩かれた來世だけでなく長谷部までぽっかりと口を開いて唖然とする。


ちなみに富美子は話の途中で台所に行っていたので同席していなかった。



「いってえ、何すんだよ思葉」


「あんた一体なんのために部活サボってあたし連行して富美子おばあちゃんの家に来たのか忘れたの?」


「やっべ、忘れてた」


「ニワトリ頭」


「は?なに、ニワトリ?」


「あ、あの……」



突如始まった二人のやり取りに長谷部が戸惑う。


來世がぱちんと両手で顔を叩き、正座した膝に手を置いて背筋を伸ばした。


この姿勢の良さが富美子によく似ている。


思葉も猫背気味な姿勢を直した。



「すんません、その画なんすけど、家にはいりません。


正直おれ、そういう古いものの良し悪しとかさっぱりだし、それはばあちゃんも一緒なもんで」



台所の方から大きなくしゃみが聞こえてきた。


富美子のくしゃみは意外と漢前であり、この点も孫はしっかり引き継いでいる。