妖刀奇譚






再び攻撃を仕掛けたけれどやはり防がれてしまい、逆に攻撃されて危うく殺されそうになった。


諦めず何度か迫ったが、ダメージを与えることはできなかった。


身体には無数の細かな傷ができている。


流し込まれる波動に耐える疲労も、じわじわと蓄積されていた。


それが、護身を維持する力を少しずつ削っているのだろう。


そして太刀を防がれたり、攻撃を受けてけがを負ったりする度に、一瞬ではあるが目の前に映像が流れた。


店で観たものと同じものもあれば、観たことのないものもあった。


一緒に声も聴こえた。


すべて恨みのこもった音声だった。


それらも思葉に精神的なダメージを与えている。



「おい、大丈夫か?一度引いて態勢を整えた方がよくはないか?」


「まだいける。それに、引いたからといってあいつに効果的な攻撃ができるとは限らないし」



嫌な笑みを浮かべている紫色の唇が、見ていてとても不愉快だった。


嬲られ、弄ばれているような気分になってくる。


付喪神が一瞬だけ足を止め、突然目の前に迫り、思葉は横に跳んで鋏から逃れた。


実は、思葉はほとんど玖皎に操られて闘っていた。


疲労と身体の痛みとで頭の回転が鈍くなり、そのせいで身体の動きも遅くなっていたのだ。