(綾乃さんの家はこの先の方にあるし……ちょっと遠いけど、念のため行ってみよう)
「玖皎、ちょっと行きたいところがあるんだけど、いい?」
「構わんぞ、移動してくれた方がおれも波動を探しやすくなる。
なんだ、何か心当たりでもあるのか?」
「心当たりというか……あんたのフラグ乱立のせいで不安になったというか」
「……それはすまん」
前方からサラリーマンらしき人影が歩いているのが見える。
思葉は一度その道から離れて、綾乃の家へ向かった。
まだ数回ほどしか遊びに行っていないので、どの道で行ったのかはおぼろげにしか覚えていない。
おまけに夜なので周囲の景色や目印を見落としやすくなっているため、余計に大変である。
(來世だったら確実に迷子になっているわね……)
ようやく目印の駄菓子屋を見つけて、思葉は周囲をきょろきょろ見回した。
人影はない。
店が立ち並ぶ商店街や駅から離れた住宅街にまでは、さすがに補導員は来ていないようだ。
場所を確認しようと、思葉はスマートフォンを手にした。
(えっと……綾乃さんの家は、確か、この交差点を右に)



