理路整然の欠片もない話し方をしていると分かっていた。
玖皎が苦しい思いをした末に見出した償いがそれであることも分かっていた。
そこから動けないことをいちばん悔しく思っているのも彼自身だ。
でも、今の玖皎はこれまでの玖皎とは決定的に違う。
玖皎自身も理解している。
それなら、あとは踏み出すだけだ。
「……どうとでも言え」
小さく舌打ちをして玖皎が横を向いた。
拗ねた子どものように機嫌を損ねた表情になる。
「おれやおまえがどう思おうと、犯した罪は変わらない。
おれの罪は消えない、人を……護るべき主たちを殺してきた事実はなくならない」
もう我慢できなくなった。
これ以上、その類の言葉を聞いてはいられない。
ぎりぎりのところまで耐えていた堰が決壊し、あふれ出した感情の怒涛に身体の芯が震える。
逃げるな。
目をそらすな。
濁流が思葉のためらいも遠慮もすべて吹き飛ばす。
頭ではなく、激しい渦の中から弾けた言葉がそのまま口をついた。



