同情はできても理解は絶対にできない。
少しも思っていない。
ならば今、往古を告白してくれた玖皎に一体、自分は何ができるのだろうか。
「……護り刀が聞いて呆れる」
乾いた声に思葉はハッとして顔をあげた。
玖皎が唇の端を歪めて、そこに嘲笑の翳りを浮かべる。
それは思葉にではなく彼自身に向けたものだった。
「……おれは主すら満足に護れない、つくられた目的だって果たせない、情けない妖刀だよ。
笑ってくれてもいいんだぜ、出来損ないのなまくらとな」
玖皎は、以前思葉が口にして怒った言葉で自嘲した。
分かっていてか、それとも気づかずにか。
ようやくこちらを向いた黎い目に宿る、哀しさと後悔と憤りが綯い交ぜになった光に胸が痛んだ。
思葉は深く息を吸って首を振る。
「笑えない。自分に向かってそんなこと言わないでよ」
『小娘』と言われ続けたお返しについ『なまくら』と言ったとき、玖皎は自分をそんな風に呼ぶなと怒った。
三条の刀工によってつくられたことを誇りに思っているような節を感じた。
それなのに、その嫌いな言葉で自分自身を蔑むようなことは絶対にしてほしくない。
その姿を見ている思葉が辛くなった。



