來世が絶望した声を上げた。
とても困った表情を顔いっぱいに浮かべて思葉の横に並ぶ。
「んな薄情なこと言うなよ思葉ぁー。
おれたち幼馴染みだろ?
おまえのじいちゃんと仲良しなばあちゃんがピンチなんだよ、助けてくれよ」
「だって、またどうせあの業者のおじさんなんでしょ?
顔覚えられちゃってるし、嫌だよあたし。
來世も悪徳セールスを自力で追い返せるぐらいになりなよ」
「いや、おれだとミイラ取りがミイラになるから」
なぜか來世が胸を張って答える。
思葉は思わず足を止めて呆れた眼差しを注いだ。
「それ自分で言うの?情けなくない?」
「だって本当のことだし、おれ一人で追い払うとか絶対に無理だから……。
なあ、頼むよ思葉。
撃退してくれたら来週の模試対策手伝ってやるから!」
家の方へ歩きかけた思葉の足がまた止まった。
定期テストの成績が中の中か下の辺りである思葉は、いつも模試の成績が良くない。
酷い点数を取ったら、三者懇談で必ず言われてしまう。
「分かった、行ってあげる」
天秤に掛ける間もなく思葉は引き受け、來世の祖母・富美子の家に向かう。
來世はほっとしつつも自分の発言を思い出し、あまり気の進まない顔でついて行った。



