妖刀奇譚






付喪神(正しくは九十九神だが)は、長い間使われ古くなった道具や長く生きた動植物などに宿った神や霊魂、精霊などの総称だ。


昔から、100年経った道具は鬼になり、99年の時点で捨てられれば付喪神になると考えられてきている。


100年経つ前に捨てられた物に取り憑く神もそう呼ばれた。


そして付喪神たちは捨てられた恨みによって、怪をなしたり祟ったりするものだとされた。


居る居ないの話は置いておくとして、思葉はここに先人たちからの教訓があるのではないかと思う。


付喪神は人間を恨んで害を与えるだけではない、幸福をもたらす場合だってある。


昔からある能面をきれいにしたら運気が上がった、という話がいい例だ。


その違いはやはり、それを大切に扱ったか粗雑に扱ったかによって生じてくるだろう。


物を粗末にすると罰が当たる、物は長く大切にしなければならないと言われるのはきっとそのためだ。



(……みんな、玖皎のような、人間とさほど変わりなく喋ったり考えたりする付喪神が宿るくらい物を大切に使い続けていけばいいのに)