永近の話によると、隣町に住んでいた、県内では有名な収集家が亡くなり、そのコレクションを処分したいと娘夫婦から依頼があったらしい。
だがその量があまりに膨大すぎて依頼を受けた古美術商の店だけでは収まりきらず、話を聞いた永近が和物の一部を引き取ったのだ。
他にも5、6件の店に依頼が回ったという。
直接そのまま買い手のもとへ渡った品もあるようだ。
そして満刀根屋が引き取った物は一部であったが、それでも段ボール箱6箱分もある。
値段つけを行うのも一苦労だ。
一体その収集家はどれだけの骨董品をかき集めていたのか、何だか怖くなって聞けていなかった。
満刀根屋に引き取られた品は、どれも古いが保存状態がとてもいい。
よく居る、骨董品をただの鑑賞用の置物扱いする収集家たちとは異なり、物を大切にする人だったのだろう。
時折、手にしただけでちらりと観える物があった。



