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簡単に昼食を済ませ、思葉は着替えて店に向かった。
エアコンを点けてカーテンを開き、10分ほど床掃除をする。
それからサムラッチ式のドアを解錠して表通りに出た。
すぐ脇に鎮座している木製の大きな招き猫の首にかけている板を、『準備中』から『営業中』にひっくり返す。
これは2年前に満刀根屋に売られてきたもので、愛着がわいたのでもう一つの看板とすることにしたのだ。
その効果か、置く前よりお客は少しだが増えている。
今日から一週間は思葉が仮店主だ。
不安よりもわくわくが全身に広がっていく。
永近が一週間いないだけで普段の店番とほとんど変わらないが、自然と胸が高揚してしまうのだ。
すべて永近がしているので、お金関係の仕事はレジ打ち以外はない。
つまり、仕事内容はいつも通りということだ。
番台の座布団にあぐらをかいて、思葉は先日売られてきた骨董品の値段つけを始めた。
和風の遊び道具から大正時代の洋館にありそうなレトロ雑貨屋など種類は様々だ。



