「……今はそんなのどうでもいいだろ。

じゃあ、改めて説明するけど…」



律希は制服のブレザーの襟を掴んで、そこにある銀のピンを見せてくる。


……なに、初めて見たこのピン。



確かこの学園に、ゴールドピンとブロンズピンが存在するのは知ってるよ。


ゴールドピンは生徒会に所属する者が付けるピン。

ブロンズピンは各委員会委員長、もしくは各部活部長が付けるピン。



けど…この色は初めて見た…



シルバーピン…?





「このシルバーピンは裏生徒会所属の証。

そして裏生徒会の活動内容の真実は…



ここ、夢乃崎学園に沸いて出た悪い妖、通称『物の怪』を…


普通の妖へと変え、物の怪から学園を、守ることだ」






私はただただ律希の顔を見ていた。

淡々と言った彼に、少しだけどかっこいいと思ったことは認める…うん。



彼の制服のポケットから出されたのは…新たなシルバーピン。



それを握った彼に手が、私の襟へと伸びる。