「じゃあねー!」


「うん、バイバイ!」



凛は今日家の用事があるとかなんとかで、SHR後すぐに教室から出て行った。



さてさて、私も金鞠が待っている我が家へと帰りますかな。


気付けばいつの間にかクラスの大半が残ることなく帰っていった。


…それもそのはず、

今日は学園の敷地内にあるカフェでイベントがあるらしいからね!



私も行きたかったけど、月に1回そのイベントみたいなのはあるらしいから、次の機会に、って思ってる。





「あ、霧花ー!」



「んー?」



声をした方へと向くと、そこにはうちのクラスの新・学級委員長。


キレイ系な見た目に、明るい性格…だけじゃなく頭も良いらしく、

何人かの子に推薦されて学級委員長になった。



クラスにはもう1人の男子の学級委員長とその子、そして男子3人が残ってるだけだった。






「なんかイケメンが呼んでるよ!廊下!」



……え?

い、けめん…?



「霧花いつの間にやったねえ、

確か5組の一ノ谷君でしょー?」



ニヤニヤ笑いながら言う学級委員長。


………はあぁぁ⁉︎



「あ、ありがよ!」


噛んでしまって笑われたのにもお構い無しに、私はすぐに廊下を覗く。



「……遅い」


「……なんで来た、バカおんみょ…」



その刹那、私の口がバカ陰陽師の手で塞がれる。


行動速いんだよ無駄に!



「むーっ!んんんー!」


「陰陽師なんて言葉、軽々しく言ったからだっつの」




バカ鬼、と耳元で囁かれた後に口が解放された。


ぷはあぁぁー…


生き返った。





「…で、何の用事?

今日はたまたま運良くみんないないけど…

いつもだったらあんたのせいで目立つんだからね」



「要件なんだけど…」




無視か!こいつ、絶対反省してない!



…まあ、霧花ちゃん大人だから黙っといてあげよう。




「今すぐ旧校舎行くぞ、スクバは持ってるな…来い」



「うんうん、分かった分かったあんたのいうとーり…って、え?」



気付けば右手を握られ、かつ引っ張られてる私。


……こんのバカ陰陽師、なに走ってんだ!




「廊下は走っちゃいけないんだよ⁉︎」



「誰もいないっつの」




け、けどちょっとでも速さ緩めたら…


私が引きずられるだけだって!




容赦ナシの走りに、私は持ち前の体力でついていく他なかった…