「……あ」


「あ、おはよう霧花」



「おはようございます、平井先輩」




私の言葉に平井先輩は笑って、「一緒に行く?」と言った。



「い、いえ…お断りします!

いや、嬉しいんですけどね⁉︎けっして嫌いってわけじゃあなくてですね⁉︎」




……怖いんです、平井ファンの方々がああぁぁ‼︎



一緒にいるだけで…私が視線に喰われます!





「……面白い発送するね」


「口に出してました⁉︎」




平井先輩はまた私の言葉に笑い始めると、うーん…と考え出した。




「じゃあ、ちょっと遠回りして裏から行くってのは…ダメかな?


あ、ごめんね、ダメだよね。

裏まで行くと普通より10分は遅くかかるし…」



……素直に、嬉しかった。

平井先輩が私なんかの一生徒と一緒に登校してくれることが。





「…良いですよ、行きましょ!」



「…良いの?」



はい!と笑顔を見せれば、私の笑顔より数倍も綺麗な平井先輩の笑顔がこぼれた。



私と平井先輩はマンションから出ると、目の前が学校にも関わらず反対方向へと行く。




「そう言えば霧花、ペットとか飼ってる?」


「へ⁉︎

な、なんでですか⁉︎」



さ、早速バレました⁉︎


妖狐を飼っているということを……!