「っお前、族長様に内緒でか⁉︎

族長様がどんな思いで…」


「分かってるよ‼︎」


つい声を荒げた。

その声と同時に収まりかけた涙がまた少し出てくる。



「分かってる。

お爺様が私のこと、ずっと大切にしてきてくれたこと」



私に話がある、そう言って。

遠回しに私に追放だと言った時も


悲しい目をしてたこと、分かってる。





「だからこそ…1人で強くなりたかった。


周りの助けなんて、もういらないよ」




私はパン、パンと2度手を叩く。


するとあっという間に私の後ろにずららーっと20人ぐらい使用人たちが一気に並んだ。


その多くは目が少し赤い…その赤さは、鬼の一族の証なんかじゃなくって…きっと悲しんでくれたからうまれた赤。




「最後の命令よ!

準備して、みんな…私の学校生活、のために!」




使用人たちは笑顔でうなずき、制服やスクールバッグ、スニーカーと呼ばれる履き物に勉強道具を持ってきた。




その様子にポカンとしてる彼に、私は笑いかけた。