………悔しいけど、今まであった人のトップレベル…いや、トップぐらいにかっこいい。


例えようがないくらい。


ただ、左の髪にある、赤のメッシュは不思議な雰囲気を与え…



「赤のメッシュ…?」



赤の、メッシュ……



「赤のメッシュ⁉︎


あ、あんた…まさか……!」



嘘、嘘…!


こんなことって、ある⁉︎



私は矢を取り出し、妖力を込め…る前に、急に目の前に現れた奴に止められた。



その細い腕からは…考えられないような強い力で、矢を持つ右手を押さえつけられる。




「やぁ〜っと分かった?

えっと…霧花、だよな?」



「っ……!」



こいつが私の名前を知ってても…おかしくない!


だって、こいつは……こいつは……!



途端右手が解放される…けど、矢は消えていた。


いや…『消された』。



彼の…妖力によって。





「俺の名前は一ノ谷 律希(いちのや りつき)。


赤のメッシュから分かるように…俺は、



『鬼斬り(おにきり)一族』の者…ま、つまり『陰陽師』だ」





私は唇を噛み、自分より背の高い…律希を睨みあげる。



「おー怖い…さすが、鬼の一族有数の強者。

ま…俺には劣るけどね?」




どうせ、と彼は続ける。




「君はただの『鬼』の一族…に対して、

俺たちはお前らを斬ることから『鬼斬り』と呼ばれる…



その名前から、強さは歴然だ」





「っ、何が望み…?

私はもう鬼の一族を抜けた、あんたたちに殺される理由はない!」



「けど…俺の家族に言ったらお前、どうなると思う?」


「っ…」


「なら…お前、

『裏生徒会』に入らなきゃな?」