そうだよ。


全く違うじゃないか。


「やっと目が覚めたかよ」


諒はそう言い、俺から手を離した。


途端に支えを失い、またそのまま座りこんでしまう俺。


諒は何も言わず病室から出て行った。


残された俺は涙をぬぐって立ちあがる。


探さなきゃ。


薫子を。


一度美奈を振り返る。


「ごめん、美奈」


そう言い、病室を後にした。