職員室には数人の教師が残っていて、俺の顔を見るなり席を立ってこちらへ歩いてきた。


数学の男子教師だ。


俺はよくこの先生と会話をするため、仲が良い。


「どうしたこんな時間から登校か?」


「はい。寝坊しました」


「ダメじゃないか」


そう言いながらも先生は全く怒っている様子ではなく、むしろ少し楽しそうな表情で俺に遅刻理由を書かせた。


これを今授業している先生にこの小さな紙を提出しなければ、教室に入れてもらえないのだ。


俺は先生にハンコを押してもらい、職員室を出た。


真っ直ぐ教室へ向かい、少し迷ってから前の扉から入ることにした。


目立つだろうけれど、教卓にたっている先生に提出しなければいけないのでこっちから入ることにした。