いつもなら、楽しそうだな、とか。


ちょっと疲れているのかな? とか。


自然と通じる部分があった。


けれど、今日は結音の顔を見つめていても何も読み取ることができない。


俺は結音の気持ちがわからないまま、人形の話をした。


「結音。今どんな気持ちなんだろうな」


話終えるとほぼ同時に諒が言った。


「わからない」


俺はそう答え、首をふる。


「俺には、少し泣いているように見える」


諒にそう言われ、俺は結音の顔を覗き込んだ。


やっぱり、何も読み取れない。


「泣かせるような事は言ってないのに?」


俺が諒にそう訊ねると、諒はふんっと鼻をならして俺から視線を外した。