一人の女官は恋をした【短編、諸説あり】


隠された双子のことは流産となっている。

日子とその姉のことはそう片付いたのだ。

双子が生まれてしまった以上、その存在を公にするわけにはいかない。

しかし、王の懐妊はとても騒がれる。


公表してしまった以上、なかったことにはできない。


だから、前回の懐妊は流産と言うことで無理矢理落ち着かせたのだ。




事実上、王の後継者は故亥と決まった。




「……いい時代になると良いわね」


「そ、そうね」


相づちを返す麗だったが、内心は動揺していた。




(日子さまはどうなるのかしら…)




日子を手元に置いていたのは、不思議な力を持つ以外にもうひとつあった。


それは、彼が皇子だからだ。


何があるともわからないから、手元に置いておきたい。

大方、側近に置かせたのもそこら辺の融通を効かせるためなのだろう。


何かあった際に、自分の隠し子だと公開するするために。