うそつき執事の優しいキス

 ………

 …


「くっそ~~ 自己嫌悪~~
 本っ当に、俺、ナニやってるんだろ」



 JRから君去津を通る私鉄に乗り換えると、そこはさっきと打って代わって空いていた。


 ラッシュのさなか、さすがに座席には座れない。


 それでも、扉のすぐ隣にある手すりは、わたし達二人だけでゆっくり占領できるのに。


 宗樹は隅の手すりに近寄りもせず、今閉まったばかりの扉に手をついて、がっくりとうなだれてた。


 さっき、わたしのおしりを触って宗樹に手首を掴まれたあの『フトドキモノ』の正体を知ってから。


『世界の終わり』を明日に控えました~~みたいなため息を何度もついていた。


「よもや、この俺が小学生(ガキ)相手に全力で怒った、なんて。
 大人げねぇ~~」



 そうなんだ。


 わたしのおしりを触ってた手を人ごみから引っ張り出してみれば、そこには、ど~~見ても小学生。


 低学年ぐらいの男の子が、いた。


 どうやら、ラッシュの電車に乗ったのは良いけど、今日は、特別混んでたみたい。


 いつも捕まるはずの手すりに届かず、人ごみに流され。最初に流れついた先が、わたしの真後ろだった。