彼に殺されたあたしの体

眼球の上を這い、鼻すじを這い、そして口の中へと侵入してくる。


ミミズにとってあたしの体はいい住処になるのかもしれない。


それならそれでいい。


死んでからも誰かの役に立つなんて、思ってもいないことだ。


光栄とまでは言わないが、このミミズとは仲良くできそうな気がした。


けれど、ミミズはあたしの口の中でしばらく身を潜めた後、やっぱり居心地が悪かったのか出て行ってしまった。


どうやらお気に召さなかったようだ。