「直ったぞ」
「あり、がと」
「チケットの交換に行こうか」
うん、とぎこちなく頷いて、顔を上げたあたしは、その瞬間に自分の中でなにかが凍りついたのを感じた。
「ユ、キ……」
心にまた、雪が積もる。
あたしの声が届いたのか、振り返ったユキ。
そしてその隣にはひとりの女の子。
初めて見た彼女のことをあたしはきっと知っている。
新しいユキの彼女────ハルカちゃんでしょう?
「黒沢とユッキー? 偶然」
「そう、だね。
ユキたちはデート?」
「うん」
ほら、ほらね。
わかっていたことだ。
ふたりは頬を見合わせて、とても幸せそう。
あたしより長い色素の薄い髪にふんわりとしたワンピース。
レース編みの髪留めも似合う、可愛い女の子に胸がぎゅうぎゅうと締めつけられていく。
「行くぞ」
まともな会話もせず、その場を離れるヒカリはあたしの腕をしっかりと掴んだまま。
慌てて「またね」と声をかけたユキの向こうに、頭を下げたハルカちゃんの姿があった。

