至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ

"堅気にはなれない"


毎回そう口にする凌牙に、あたしは申し訳なさを感じていた。


まるで、凌牙の生きる世界を、凌牙に否定させているみたいで。



「あたしがそう決めたんだから」


ハンカチをしまい、凌牙の目をじっと見つめた。



凌牙について行く覚悟はできている。


お姉ちゃんとは全く別の道を歩むけど。


自分の選んだ道を、あたしは後悔しない。


お姉ちゃんが選べなかった道を、あたしは歩む。


凌牙があたしを求め続けてくれる限り、怖いものなんてない、そう思うことが出来たから。


あたしに人を信じると言うことを教えてくれた凌牙。


人を愛するということを教えてくれた凌牙。



そんな凌牙は。


この先どこを探しても見つからない。


かけがえのない、たった1人の男だから。