至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ

「まだ慣れないか?」


「えっ……?」


ふいに、凌牙の視線があたしの手元に落ちて……。


「ああっ、う、うん……」


握りしめていたハンカチを慌てて隠した。



この家には、黒服の男たちが沢山いて、5回目とは言っても、そんなところに慣れるわけもなく。


緊張のあまり手に汗をかくから、ハンカチが手放せないでいるあたしを、凌牙がいつも気にかけてくれているのだ。



「いいのか……?」


ここへ来るたびにそう聞いてくる凌牙は、あたしのことを本気で心配してくれている。


「俺は堅気には――」


「大丈夫」


今日は、その続きを言わせなかった。