うなされていたのか、汗をびっしょりかいている。


「……凌牙は……大丈夫……?」


側にあった、タオルを手渡す。


受け取り、それを顔に押し当てる凌牙に


「……ごめんなさい」


そう呟いたあたしに、凌牙も同じようにポツリと言葉を落とした。


「何も聞かねえよ……」


それは、聞きたくないと言うことではないらしく。


「ただ、側に居てくれるだけでいい……」


そう言った凌牙は、ただあたしの手を握り締めた。


「……」


凌牙らしくないすがるようなその手と、次の言葉にハッとした。




「……突然、居なくなるなよ……」