「待て」


あたしは大翔や旬と一緒にいたわけで、凌牙たちが先に入った入り口から続こうとしたら、当然の様に止められた。


顔にある古傷が、その筋の人間ということを嫌という程物語っていて、怖さを倍にする。


「……っ」


凌牙と同じ、灰雅という暴走族に所属している大翔達でさえ、柳迅会からすればただのガキにしか見えないんだろう。


いくら仲間とはいえ、すんなり通してもらえずあたし達は顔を見合わせた。



そこへ病院内に入っていたテルさんが戻ってくる。


「通せ」


その一言で、黒服の男は下がり、あたしたちは中へ入ることが出来た。


明らかにテルさんより年上なのに、アッサリテルさんに従う柳迅会の男。


凌牙の側近というのは、凌牙に使われているようで、地位はそれなりに上なのだろうか。