「離せっ!」


無理矢理和希と引きはがされた凌牙は、また狂ったように和希にしがみつこうとする。


「和希!!!!!!」



「凌牙さんっ…」


「うっせえ、離せぇっ!!!」


凌牙の体を抑える下っ端メンバーを蹴散らすように怒鳴りつけると、凌牙は体を解き和希のあとを追った。




「和希っ……」


あたしは放心状態で、その場に取り残される。


和希が連れて行かれた先に目をやると。


その道筋を辿るように、和希の血がポタポタと落ちていた。





……和希、お願い。


死なないで……っ。



あたしも凌牙に続いて、実の弟のあとを追った……。