月明かりに照らされて、くっきり浮かび上がる凌牙の背中の模様。 「醜いか……?」 「……ううん。綺麗……」 これは、凌牙が自分の運命を受け入れた証。 勇気の、証。 あたしはそれを、そっと撫でた。 世間が何と言っても、あたしはこの人を信じてついていく。 「和希にも、あるの……?」 神様のいたずらなのか、思わぬ運命をたどった兄弟。 「和希にはねえ……」 「………」 それが長男と次男の違いなんだろうか。