至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ

「……っ……」


黒い革張りのソファは、この殺風景な部屋に似合わない程の高級感を醸し出している。


周りの男たちが誰も座っていないのを見ると、このソファは壱冴専用なのかもしれない。


目の前に置かれたテーブルに腰を下ろした壱冴との距離は、ほんの10センチ程度。


昨日とはまた違う意味合いを持つ至近距離に、全身に緊張が走った。


「……本当に、壱冴がSPIRALの黒幕なの?……壱冴が……SPIRALを動かしてたの……?」


今更確認しなくても、この状況を見れば答えは出ているようなものだけど。


どうしても、理解できなくて……。



そんなあたしを面白そうにジッと見つめる壱冴。



コツコツ……コツコツ……。


指先でガラステーブルを叩く規則正しい音だけがこの部屋に響いた。