「……っ……うぅっ……」


驚きなのか、悲しいのか、人違いをさせてしまった罪悪感なのか。


どれとも分からない涙が、机の上に次から次へと零れ落ち。


丸いしみは、後から後へと作られていく。



「……はぁ……うっ……はぁ……っ……」


胸が張り裂けそうで、手で作った拳を胸にあてて大きく呼吸を繰り返す。



苦しい。


胸が苦しいよ……。



こんなに、こんなに好きになっちゃったのに。


自分じゃどうしようもないくらいに、好きになっちゃったのに。



お姉ちゃんが言うように、柳迅会が敵の組織だとして。


……憎い組織だとして。




あたしはただ……


凌牙を好きなだけだったのに……。