……凌牙が、殴ったの……? 「兄……貴……?」 倒れ込んだ和希は、呆然と凌牙を見る。 そして、殴られたことに今更気づいたかのように、その頬に手を当てた。 殴れと言った癖に、実際殴られて放心している様子。 和希本人も、何が起きたのか分かっていない顔をしていた。 テルさんも、驚いた表情で凌牙を凝視する。 凌牙は、ゆっくり手を下ろすと、なにも言わず奥の個室へと消えた。