言われた意味が分からなかった。


首をかしげながらテルさんの顔をジッと見つめると、その視線はあたしの首元に落ちていて。


「……」


……何のことなのか、だんだん頭が理解していく。


と同時に、体中の熱がさらに上昇した。



さっきの凌牙の行為を思い返せば、思い当たることなんてただ一つ。


首元に走る熱い感触と、わずかな痛み。



恥ずかしさのあまり、テルさんの顔を見つめたまま指先を静かにボタンに滑らせ、解禁していたそこを閉じた。



……これで大丈夫ですか。



無言の問いかけに答えるように、テルさんが腕を離し、凌牙の居るあの鉄の扉に向かって歩き出す。


反対に、あたしはダダダダッと階段を駆け下りた。