すっかり忘れかけていた名前を旬に言われ、ゾクリとする。


SPIRALがここに!?


確かにバイクの音はしたけど、何台もって感じではなかったような……。


「誰かいるのか」


テルさんが外に向かって冷静に呼びかける。



…………。



返事はない。


ただのイタズラだったのか、さっきまでとは打って変わり、外はシン…と静まり返った。


余計に恐怖が募る。



「開けるぞ」


テルさんが凌牙に目を向け、凌牙が軽くうなずく。