「うん、いらっしゃい」


あたしがそう答えてすぐ大翔と旬の輪に戻る若菜に、やるせない何かを感じる。


やっぱりあたしなんて、居てもいなくても同じなんだ、って。



……目的は、テルさん。


ただそれだけなんだ……って。



「優月ちゃんも一緒にやる?」


「あたしはいいよ」


旬の誘いを軽く断って、ダイニングテーブルにつき、楽しそうな3人を眺めた。



もちろん、そんな目的を誰も知るはずもなく。


テルさんだって、当然若菜の気持ちに気づくはずもなく。


あたしがお願いすれば、嫌な顔一つせず、双葉園まで若菜を迎えに行ってくれる。