今でもできる範囲で支援しているお姉ちゃんは、ついこの間まであそこに住んでいたあたしよりも双葉園について詳しい。


お姉ちゃんは、綺麗に象られた唇を開く。


「優月は何も知らなくていいの」


……まさか。


お姉ちゃんまで、何か悪いことに手を染めてたりするの?



凌牙の家を悪く思いたくないのに、やっぱりそれは、頭のどこかで肯定できない世界で。


そう思ってしまう自分も、何もかもがイヤでたまらない。



「話してくれないとわからないよっ!?」


「優月のためなのよ!」


「……っ…。どうしてっ……いつもいつもっ……」



悔しくて、唇を噛みしめた。