「何時に来んの?」


床に転がされたまま漫画を読み続けている旬が問いかける。


「今、テルさんが双葉園に迎えに行ってくれてるの」


「そっか、テルさんは行き慣れてんだもんな」


「……」


「あ、ごめん」


サラッと出たそれはきっと本音で。


「謝らなくてもいいの。だからこそ、あたしもお願い出来たんだから」


あたしは軽く笑った。



嘘じゃない。


まさか、あたしが双葉園に迎えに行けるわけもなく。


テルさんという、双葉園に出入りしてる人間がいたことをありがたいと思ったのは事実だから。