至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ

「手に入らないと思ってるものほど、人はそれが欲しくなるんだ」


「……ん…」


それはおそらく、凌牙に課せられた期待や待遇のこと。


2番目として、和希は期待されてないことへの不満もあるんだろう。



「……アイツには……させたくねえ……」


それはこの間も聞いた言葉で。


苦しそうに顔を歪める凌牙は、兄として弟を守りたい気持ちが痛いほど滲み出ている。


そして、本当に苦しそうに言葉を紡ぐ。


「……ウチの奴に、墨を入れてくれって頼んだらしい」


「墨……?」


それって、刺青のこと……?


ここで言う"ウチ"とは、灰雅ではなく、おそらく柳迅会。