至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ

倉庫内に戻ると思ったのに、連れて行かれたのは裏側にあった空き地。


きっと何年も人の手が加えられていないだろう、草ボウボウの荒れた場所。


制服のズボンを履いている凌牙には分からないだろうけど、伸びきった草が足にまとわりつく。


……痒い。


そんなことに気づきもしない凌牙は、手を引いたままあたしの顔を見ずに言った。


「琉聖と七海のことには口出しするな」


冷たく聞こえるその言葉にも"哀"が込められていて。


あたしは素直に返事をした。


「……うん」


凌牙に言われてしまえば、やっぱり逆らうことなんて出来ずに。