至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ

だけど和希が差したのは、琉聖さんのことでも何でもない。


他でもない、和希のこと。


どうにもならないのは和希自身で、和希も凌牙との差に悩み、苦しんでいるのかもしれない。


凌牙から身の上を聞いたあたしには、そんなの簡単に分かったはずなのに。




自分の浅はかさに頭が痛くなってくる……。


ガンガンと、割れそうに頭が痛い。



――と。



「……」


誰かに腕を掴まれた。



ゆっくり振り返った先には、無の表情をした凌牙。



「りょ、凌牙ッ……」



どこから話を聞いてた……?



「行くぞ」


あたしに強い目を注ぎ。



そのあと、一瞬目を合わせた兄弟が。


どんな表情をしたのか、あたしには分からなかった。