男も女もみんな馬鹿だ、大嫌いだと言っていた梓ちゃん。

泣きながら過去の話を全て吐き出した彼女のことが仁葉は愛しくて、悲しかった。



そして、梓ちゃんを傷つけた人たちを最低だと、許せないと。

強く思ったの。






本当は、梓ちゃんが今もまだ苦しんでいること、知ってるよ。



クラスでも、仁葉以外の人と話したくないと思っているって。

仁葉に人が近づくことを恐れているって。




でも、仁葉はそれでも少しずつ努力して、信じようとしている梓ちゃんが好きなんだ。






きっと、いつか大丈夫になるね。



だって、



『ありが、とう……』



そう、たどたどしくもクラスメートにお礼を言えるようになった梓ちゃんは、とってもとっても素敵だったから。