「席に着けよー」
教室に入って来た先生の声に反応する。
知らない内に、授業開始時刻になっていたらしい。
発国は吉田先生が担当なんだよね。
もたもたしてたら、絶対なにかしら言われちゃう。
仁葉の席でおしゃべりをしていた梓ちゃんが、慌てて席に向かう。
「あ、そうだ。鈴宮」
思い出してよかったーといった様子で出席簿を置いた先生。
「はい?」
「お前、今日居残りな」
「はい⁈」
「サボりのお前と怪我が大したことなかった坂元は、昨日の体力測定の残りをするんだと」
坂元くんの怪我のことはよかったけど、昨日の今日で……?
そりゃ、なかったことにはならないと思っていたけど。
こんなすぐに体力測定の続きをさせられるなんて。
「うそ……」
「放課後、体操服を着て体育館に来いってさ」
仕方がなく、小さく「はーい……」と返事を返す。
チャイムの音に、仁葉はひとり机に沈んだ。

