坂元くんを無理やり椅子に座らせた。
そして、彼の肩に手を置いて、動けないようにぐっと押さえつける。
「坂元くん!
仁葉、今すごく心配してるの!」
「は?」
「坂元くんがどれだけ大丈夫って言っても、仁葉のせいで怪我をしたのには変わりないの!」
庇ってもらって、ああ仁葉は怪我しなくてよかったなぁ。
なんて、そんなこと考えられないよ。
仁葉は坂元くんのことも、友だちだと思ってるもん。
だから、お願い。
手当くらいしてもらってよ。
「女の子に心配させるもんじゃないわ。
さ、早く見せてちょうだい」
にっこり笑った先生。
仁葉がじとーっと見下ろした坂元くんが息を吐く。
「……お願いします」
その言葉を理解した瞬間、ぱあっと仁葉は笑顔を浮かべた。
「ありがとう!」
よかった。
坂元くんがわかってくれて。
なにかあった時になんの処置もしないなんておかしいもんね。

