「っあ、ごめんなさい。
光ちゃんの高校の人、だよね?」
今にも飛びついて来そうだったのに、きゅっと急ブレーキ。
立ち止まって首を傾げた。
「仁葉ちゃん、だよね」
「うん! こんにちは!」
にっこり笑った無邪気な表情。
みんなが小さく笑顔を浮かべる。
その時、仁葉の表情が不服そうなものに変わる。
視線の先には、今日来たクラスの人の中で唯一の女子。
じいいっと見つめている。
要するに、いつもの嫉妬だ。
「仁葉? 睨んじゃだめだよ」
「うぅ……」
仁葉の代わりにごめん、と眉を下げれば大丈夫、と首を横に振ってくれた。
「じゃあ仁葉ちゃんも来たし、わたしたち今日は帰るね」
「だな」
ああ、……そうか。
うん。
「ありがとう」
「また来るなー!」