今なら思うんだ。
仁葉は周りが見えていなかった。
世界に光ちゃんだけしかいないなんて、ありえないし。
それに、そんなさみしいことはできない。
仁葉の光(ひかり)は光ちゃんだった。
それと同じように、きっとみんなにも光(ひかり)がある。
輝くんにとって、昔は柚季さんや陽介さんや、陸上部の人たちだった。
梓ちゃんは……昔の彼氏さんたちがそうだったんじゃないのかな。
それに、おじいさんたちもいる!
……だからね。
きっと仁葉だって、誰かの光(ひかり)になれるんだ。
なりたいと思うんだ。
そう思っている限り、本当の意味で光(ひかり)を失うことはないんだね。
そういうこと、なんだよね。

